太陽興産のスタッフです。金沢で建築、土木、とび・土工、大工、解体の工事をしています。

建設の仕事には、講習を受けないと就けない作業があります。ただ、その講習は法律で3段階に分かれていて、入る前に取っておくものはありません。

私たちの採用サイトの福利厚生のページには、「施工管理技士、玉掛、高所作業車、フルハーネスなどの資格取得助成」と書いてあります。

この行を見て、こう思った方もいるのではないでしょうか。

「資格って、国家試験みたいなものを受けるの?」「未経験なのに、入る前に何か取っておかないといけない?」

この記事の見どころ建設の講習は、法律で「特別教育」「技能講習」「免許」の3段階に分かれています。求人票に並ぶ3つがどれに当たるかが分かると、入ってから何を受けるのかが見えてきます。

求人票の「資格取得助成」は何のことか

先ほどの4つを、もう一度並べてみます。施工管理技士、玉掛け、高所作業車、フルハーネスです。

このうち、施工管理技士だけが国の技術検定に合格して得る資格で、ほかの3つとは仕組みが違います。

残りの3つは、作業に就く前に受ける講習の名前です。特別教育は決められた時間の講習を修了すると、その作業に就けます。

技能講習は講習の最後に学科と実技の修了試験があり、それに通って修了証をもらいます。

「助成」というのは、その講習にかかる費用を会社が助ける、という意味です。ページに金額や条件は載っていないので、ここでは中身のほうを見ていきます。

法律で決まっている3段階

講習の話は、労働安全衛生法という法律が土台になっています。

条文は難しい言葉で書かれていますが、骨組みは3段階だけです。

段階 01

特別教育。会社が労働者に行う教育で、法律の第59条に決められている。修了すると、その作業に就ける。

段階 02

技能講習。登録を受けた教習機関で受け、修了証をもらう。第61条で、技能講習を修了した人(または免許などの資格を持つ人)でなければ就かせてはならない、とされている作業に就ける。

段階 03

免許。都道府県労働局長の免許を受けた人だけができる作業。つり上げ荷重の大きいクレーンの運転などがここに入る。

条文の原文はe-Gov法令検索で読めます。

私たちが2025年に行った足場組立ての特別教育も、この段階01に当たります。

危ない作業ほど、上の段階が要ります。逆に言えば、どの段階の作業なのかが分かれば、何を受ければよいかも決まります。

フルハーネス・玉掛け・高所作業車は、どれに当たるか

では、求人票の3つはどの段階でしょうか。答えは「高さと重さで変わる」です。

フルハーネスは、特別教育です。高さ2メートル以上で、作業床を設けることが難しい場所で、フルハーネス型の墜落制止用器具を使う作業が対象になっています。

2メートルこの高さ以上で、作業床を設けにくい場所でフルハーネス型の器具を使う作業には、フルハーネスの特別教育が要ります(労働安全衛生規則 第36条41号)

玉掛けは、クレーンで荷をつるときにワイヤーなどを掛け外しする作業です。クレーンのつり上げ荷重が1トン未満なら特別教育、1トン以上なら技能講習になります。

高所作業車も同じ考え方で、作業床の高さが10メートル未満なら特別教育、10メートル以上なら技能講習です。

同じ名前の作業でも、扱う重さや高さで段階が変わる。ここが、初めて聞く人にはいちばん分かりにくいところだと思います。

私たちの現場で言えば、足場の組立ても特別教育の対象です。地上で補助をする作業は除かれていますが、足場の上で組んだり解体したりする作業には、この教育が要ります。

入る前のイメージ
資格は自分で勉強して、試験に受かってから入るもの。
実際の仕組み
作業に就く前に、会社が行う教育か、教習機関の講習を受ける。入る前に持っている必要はない。

太陽興産では、特別教育を行っている

ここまでは法律の話でした。ここからは、私たちが実際にやってきたことです。

2025年6月28日に、足場組立ての特別教育を行いました。講師のもとで、9名が受講しています。

その前には、2022年3月のお知らせで、フルハーネスの特別教育の講習会を会社で開いたと伝えています。

どちらもコーポレートサイトのお知らせに載せてあります(足場組立・特別教育/フルハーネス特別教育講習会)。

特別教育は、法律で会社が行うと決まっている教育で、会社が自分で開くこともできます。私たちの場合、フルハーネスのときは会社で講習会として開き、足場のときも講師のもとで9名がまとめて受けています。

外の教習所へ一人で申し込みに行く形だけではなく、先輩たちと同じ日にまとめて受ける形がある。それが特別教育の仕組みです。

入ってから受ける順番

では、入った人は、この教育や講習にどの順番で出会うのでしょうか。

まず、入社してすぐに関わるものがあります。労働安全衛生法の第59条にある「雇入れ時の教育」です。

こちらは特定の作業に限らず、雇い入れたときに会社が行うと決まっている教育です。機械や材料の危険性、作業の手順、事故のときの応急措置といった項目が規則に並んでいます。

つまり、講習を受ける前に、まず会社から安全の教育を受けるところから始まります。

募集要項の仕事内容には、手元作業、解体作業、養生作業、片付けや掃除、草刈りが書かれています。手元作業や養生、片付けのように、特別教育や技能講習の対象になっていない作業が多く含まれています。

だから初日から講習の心配をする必要はありません。まずは建設現場の1日にある朝礼から始まり、先輩の手元について作業を覚えていきます。

福利厚生のページにも、現場ではスタッフやベテランの作業員が指導する、と書いてあります。

そのうえで、どの講習が要るかは、就く作業で決まります。作業床を設けにくい高い場所でフルハーネス型の器具を使うならフルハーネス、クレーンで荷をつるなら玉掛けです。

順番 01

入社してすぐ、雇入れ時の教育を受ける(労働安全衛生法 第59条)。

順番 02

手元作業や養生、片付けのように、講習の対象になっていない作業から覚える。

順番 03

就く作業が決まったら、その作業に要る特別教育や技能講習を受けてから就く。

いつ、どの講習を受けるかは、その人が就く作業と現場の状況で変わります。ただ、順番だけは決まっていて、教育を受けてからその作業に就きます。逆はありません。

よくある質問

入る前に、何か資格を取っておいたほうがいいですか?
募集要項の応募資格を見ると、正社員は「特になし」、現場作業員は「普通自動車免許保持者尚可」「未経験者歓迎」「経験者優遇」と書いてあります。講習は入ってから受けるものです。
講習の費用は自分で払うのですか?
福利厚生のページに、玉掛け、高所作業車、フルハーネスなどの資格取得助成があると書いてあります。このうち特別教育は、法律で会社が行うと決まっている教育です。助成の金額や条件はページに載っていないので、面談で聞いてください。
特別教育と技能講習は、どちらが上ですか?
技能講習のほうが上の段階です。同じ玉掛けでも、1トン未満は特別教育、1トン以上は技能講習と、扱う重さで分かれています。
講習を受けないまま作業をするとどうなりますか?
特別教育が要る作業は、会社がその教育を行わなければならないと決まっています。技能講習や免許が要る作業は、会社が就かせてはならず、本人も行ってはならないと決まっています。だから就く前に、教育や講習を受けます。

私たちは、金沢を中心に北陸の現場で一緒に働く方を探しています。

講習のことで気になる点があれば、選考の最初にあるカジュアル面談で聞いてください。エントリーフォームからお気軽にどうぞ。